フットボール デイズ

日々学び成長したい。ジュニアサッカーの保護者・審判・コーチそれぞれの立場から、自分が思うことを書いてます。

ジュニアサッカーと罰走

令和の時代に入っても、ジュニアサッカーの現場では未だに理不尽な練習を強いるチームがある。

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「水を飲むな!気合いが足りないから喉が乾くんだ!」というようなチームはさすがに無くなったと思うが、試合後に罰走をしているチームを見かけることはある。

まず、若い頃サッカーをしていたコーチが、「あの頃の辛い練習があるから今があるんだ」と自分自身の経験を肯定し、間違った情熱で子供達に同じように理不尽な練習を強いているケースが多いと思う。
(理不尽なことに耐える力をつけることで、ブラック企業で働き続けるメンタルは身につくのかもしれないが・・・)
「昔からずっとやってるから必要な練習なんだ」、「最近の子は厳しい練習をしないから気合いが足りないんだ」と信じていたり、練習量は多ければ多い程良い、苦しければ苦しい程良い練習だと思っているケースもある。
今までの自分の経験や常識を否定するのが怖いのかもしれない。

 

子供達が罰走をしているグラウンドの横には応援に来ている保護者達が黙ってその様子を見守っていたりする。
コーチは「お前らのことを思ってやっているんだぞ」と声を上げている。
罰走をしている子供達を見て、コーチは自分の影響力がチームに及んでいることに満足しているのかもしれない。


★罰走について、中学生時代の中田英寿さんと当時のコーチとの有名なエピソードです。

あるとき皆川は、試合に負けた選手たちに、罰走としてダッシュ50本を命じる。

だが中田は「走る理由が分からない。オレたちだけが走らなければならないのは納得できない。皆川さんも一緒に走ってくれたらオレも走る」と反論したという。

「私が、ふざけたことを言うなと殴りつけていたら、果たして中田英寿という個性は、世界に羽ばたくことができたでしょうか。そう思うと、私は時々ぞっとすることがあるのです。」
やがて皆川は、ドイツへ渡り、指導者としての研鑽を積み、帰国後にジュニアユース以下のクラブチームを立ち上げるのだった。


「それでも「美談」になる高校サッカーの非常識」(加部究

この皆川さんというコーチは、当時、中学生だった中田少年の意見を受け入れて自分も罰走に参加し、自分で走ってみたら20本でダウンして、そこで罰走は終了したのだという。またそのことをきっかけに、ドイツに渡り指導者として学び直したという姿勢は本当にすごいと思う。

 

罰走の理由が”敗戦の責任を取る”ということなら、その責任は監督やコーチにもあるのだから、コーチも走るべきだ。中田少年は正しい。中田少年の意見を受け入れた皆川コーチもすごいと思う。
「君達の勝利、我々の敗北」と考えるのが監督やコーチであると僕は思う。
”気合いが足りないこと”が罰走の理由なら、選手に”気合い”を入れられなかったモチベーターとしてのコーチの責任だし、メンタルトレーニングに取り組んでこなかったコーチの怠慢・準備不足だから、やはりコーチも一緒に走るべきだ。

 

ただ、この時の中田少年のように毅然とした態度でコーチに対し自分の意見を伝えられる小中学生の選手はほとんどいないだろう。
そして皆川コーチのように選手の意見を受け入れ、自分自身を振り返り、反省出来るコーチもなかなかいないと思う。

保護者も、コーチに対しきちんと意見を言える方は少ないと思う。
「自分の子供を預けているから」、「ボランティアで指導してくれているから」と、理不尽な指導があっても卒業まで我慢し口を噤んでいる方が多いだろう。
「うちの子は厳しく怒鳴りつけて育てて下さい」というような保護者の方も時々いる。
だけど僕は、子供達の体と心が傷ついているのに黙って見ているのは間違った判断だと思うし、コーチが間違った判断をしているのならば、保護者とコーチが落ち着いて話し合う機会を作るべきだと思う。もしかしたら、保護者も一緒に罰走に参加するという方法もあるのかもしれないとも思う。

 

試合後に行う罰走など、強い負荷を与えるだけのオーバートレーニングは、筋繊維や関節、心肺機能を傷つけるだけの無意味なもので、トレーニング効果は全く期待出来ない。
特に成長途中の小・中学生の場合、オーバートレーニングや過度な精神的ストレスは体や脳の発育に影響を及ぼしてしまう。

体は栄養と休息と最適な強度のトレーニングによって、強くなっていくものだ。
また試合後の罰走があるから、無意識に体力を温存しようとして試合に全力で取り組めないという弊害も出てくるだろう。

 

子供達は成長と停滞、勝ったり負けたりをくり返しながら、ゆっくりと成長していく。
今日の結果だけに捉われるべきではないし、今日の結果を大人のモチベーションにしてはいけない。

 

来年はジュニアサッカーから罰走が無くなることを願って

 

★ジュニアサッカーのことをもっと知りたい方はこちら★

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