価値観の押し付け
「お前のこと思って厳しく言ってるんだ」
「そんなんじゃ良い選手になれないぞ。◯◯しなきゃいけない、××しちゃダメだ」
このような保護者やコーチの発言はよくあり、それは子供への愛情から子供の幸せを願って言っているケースが多い。
子供は未熟で自分より劣っている存在だから、進むべき道を示し、答えを教えないといけないと信じており、そんな子供に自分の価値観や答えを押し付けてしまう。
ではそんな時、子供はどう感じ、何を考えているのだろうか?
子供はまだ成長途中で経験が少ないのは事実。なので、親やコーチは子供の成長のためにサポートをする必要がある。
ただ、答えや価値観を押し付けるのではなく、様々な経験や知識の中から、子供自身が判断する選択肢を与えたり、成功や失敗を子供が経験し、その中で自分で答えを見つけられるようにすることが大事だと思う。
「こうすれば良い」と大人の考えに従わせるのではなく、「こういうやり方もあるよ」、「こういう考え方もあるよ」と示した上で、子供自身の判断を尊重する。もし子供の判断が間違っていると思ったなら、なぜその判断をしたのか理由を聞いてみる。もしかすると、その子なりの明確な理由があるのかもしれない。
自分の考えを聞いてもらうという経験は、子供の自己肯定感を向上させるそうだ。
自分の意見を伝え、人の意見を聞くことが、コミュニケーションの基本となる。自分とは違う意見も柔軟に聞けること、自分の意見を持ちそれをみんなに伝えること、自分と違う意見からも学べることが、これからの社会で生きていく子供達にとって大切なことだと僕は思う。
価値観が多様化する答えのない時代、今までの常識が通用しない、昨日までの当たり前が当たり前でなくなる時代に生きていく子供達に"生き抜く力"をつけてあげることが大切だ。
[大人の価値観を押し付けられて育った子供は、その影響を大人になっても引きずってしまうことが多い]
・自分で決めることが出来ず、いつも誰かに判断をゆだねてしまう。
・自分の意見ではなく権力者や集団の意見にいつも従ってしまう。
・いつも誰かが敷いたレールを進むだけ、どんな状況でも誰かに従うイエスマンになってしまう。
[価値観を押し付ける大人の特徴]
・強い劣等感を抱えており、自分が達成出来なかった夢を子供に託し、過剰に期待してしまうケース。
・自分の失敗や苦労を子供には経験させたくないという思いが強く、自分の考えや価値観を押し付けるケース。
・(罰走や体罰など)理不尽なことでも自分が経験してきたことが今の自分を作っていると信じて、同じように理不尽なことを子供に強いるケース。
僕達大人が子供に提供すべきものは自分の経験の引き出しの中から様々な選択肢を提供することで、唯一の答えや自分の価値観を押し付けることではない。
「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」
(中国・老子が言ったとされる言葉)
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